前回の記事で、シンガポールのブティック「Yeossal」のMade-to-order (MTO) 靴を注文した経緯について紹介しました。
身近での試着が難しい、日本での小売展開の無い海外メーカーの靴の購入。前回、中国のドレスシューズメーカー「Yearn Shoemaker」の既成靴を購入した際は、先方に足の寸法を伝えてサイズを提案いただき、それをそのまま購入しました。
Yearn Shoemakerの既成靴は送料・手数料込みで50,000円程度だったのでそれでよかったのですが、今回のYeossalは予算がもう少し高価格帯となります。そのため、サイズ選びを失敗したときのインパクトも大きくなるため、なるべく慎重な策を取りたいところです。サイズの選び方についてYeossalの方とメールを交わしていたところ、先方から薦められたのがフィッティングシューズ (トライアルシューズ) の購入でした。
Yeossalのフィッティングシューズとは?
私がフィッティングシューズを注文した当時は無かったのですが、いつのまにかフィッティングシューズのショップページができているようです。
スクリーンショット出典: https://www.yeossal.com/en-intl/products/fitting-shoes フィッティングシューズのショップページ
このページに記載のとおり、Yeossalのフィッティングシューズは100シンガポールドル (SGD) で販売されていますが、フィッティングシューズを購入するとMTO靴の注文時に100 SGDの割引を受けられる割引コードが得られます。そのため、靴の注文を前提とすれば、フィッティングシューズの本体費用は相殺されるわけです。
ただし、フィッティングシューズの購入時にも送料および関税・通関手数料などの諸費用が発生します。そして、言うまでもなくこれらの費用は返金されません。私がフィッティングシューズを購入した際は、送料として約50 SGD、手数料として6,000円弱を支払いました。 約10,000円の費用が生じたことになります。10,000円を投じてサイジングを確実なものとするか、それとも表記サイズを素直に信じるかは判断が別れるところですね。
なお、フィッティングシューズはすべてのラストに対して用意されているわけではないようです。また、実店舗で試着に供されたものが販売されている場合もあり、必ずしも新品が手に入るわけでは無いことが商品説明から読み取れます。そして、上のショップページを見た感じ、サイズも在庫が不揃いになっているようです。待っていれば、そのうち再生産されるのかもしれないですが。
ラストの選定
上述のとおり、フィッティングシューズはラストごとに準備されているので、フィッティングシューズを選ぶ前にラストをどれにするか考える必要があります。今回、私はYeossalのInstagramやさまざまなブログ記事を確認したり、およびYeossalの方から写真を送っていただくなどして検討したりしたうえで、「SG65」ラストを試してみることにしました。抑揚のあるチゼルトゥが特徴的なラストです。プレーントゥでトゥ周りの雰囲気を活かしてみたいですね。
スクリーンショット出典: https://www.yeossal.com/en-intl/pages/y-by-yeossal-handwelted-mto
そこで、フィッティングシューズもSG65ラスト用のものを購入することにしました。私は、既成履はUKサイズで8.5、ウィズはEを選ぶことが多いのですが、モノによって0.5インチ前後することもあります。そこで、UK8.5を選んでみて、履いた感じでサイズを絞り込んでみることにしました。定かではありませんが、フィッティングシューズのウィズはE相当だと聞いた記憶です。
届いたフィッティングシューズ
今回のフィッティングシューズ、注文完了後わずか3日で手元に届きました。
下の写真のような荷姿で届き、FedExのパック梱包材にそのままフィッティングシューズが放り込まれていました。
全体像はこんな感じです。アッパーには一応牛革が使われているのではないかと見受けます。
完全な新品という感じではありません。上でも言及したとおり、店舗で試着に使われていたものなのかもしれません。
所詮はフィッティングシューズといったところか、木型の形がしっかり定着するほどに釣り込まれているわけではないです。靴内部のボリュームが確認でき、大きすぎたり小さすぎたりしないかがわかる程度でしょうか。
一部の有力な靴工房では、MTO用のフィッティングシューズもしっかり釣り込んで製作してあるケースも見かけますが、今回のYeossalのフィッティングシューズでは履き心地までは確認はできなさそうです。
インソールが加水分解?しているようです。
アウトソールはわざわざハーフラバー状になっています。「43」と刻印がありますが、これはEUサイズ表記であり、UK8.5相当であることが汲み取れます。
フィッティングシューズを履いてみて
フィッティングシューズに足を通してみました。つま先の捨て寸やボールジョイント周りを意識してサイズ感を確認しましたが、靴内部のボリュームとしてはだいたいこんなもんかという感じです。そうしたことから、このフィッテングシューズどおりのサイズでMTOの注文を進めることに決めました。
実際に制作された靴のフィッティングはどうだったのか?10,000円の費用を投じた価値があったのか?については、別途まとめようと思います。
最後に
もし、これからYeossalのMTO靴を初めて注文されようとしていて、フィッティングシューズを注文するか否か迷われているような方がいれば (大変ニッチな境遇ですが…)、参考にしていただけると幸いです。なお、この記事を作成している2022年12月のタイミングで、某フリマサイトにYeossalのフィッティングシューズが流れているようです。奇遇ですね…
第3弾となる次の記事にて、注文に向けての仕様決めのプロセスを紹介しています。併せてご覧いただけると嬉しいです。
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