先日、以前からずっと興味があったものの、なかなか購入に踏み切れなかったとあるモノを入手しました。
〈NAKATA HANGER (ナカタハンガー)〉による高級なジャケット用ハンガー〈NH-2〉です。


兵庫・豊岡の〈中田工芸〉による国産の高級ハンガー。今回はこちらを紹介したいと思います。
私のNAKATA HANGER遍歴
今回NH-2を入手する以前から、私はNAKATA HANGERの洋服ハンガーを愛用してきました。
これまで愛用してきたNAKATA HANGERのハンガー
スーツやジャケット・コートのような重衣料向けに、同ブランドの中間グレードに位置する〈AUT-02〉や〈AUT-03〉〈AUT-05〉というモデルを中心に導入してきました。気がつけば、クローゼットの中では10本強のAUT-02、20本近くのAUT-05が活躍するようになっています。シャツ用ハンガーやトラウザーズ用のクリップも含めれば、所有するNAKATA HANGERの製品は30点以上に膨れ上がっています。

2023年10月時点の定価を参照すると、AUT-02は13,200円、AUT-03は8,800円、AUT-05 (パンツ掛け付き) は5,500円となっており、いずれもハンガーとしては高価格帯に位置するものといえます。一方で、NAKATA HANGERのフラッグシップモデルとして君臨するのがNH-2となっています。NH-2の定価は33,000円。興味はあるものの、さすがにハンガー1本にここまでの投資 (浪費?) には踏み込めまい…… と躊躇していました。
スクリーンショット出典: https://www.nakatahanger-shop.com/?pid=69751673 (2023年10月取得) NAKATA HANGERのオンラインストアにおけるNH-2の商品ページ。ハンガーとしては非常に高価な部類だといえる
贈答品としても大活躍のNAKATA HANGER
ところで、自宅にある30余本以外にも、私はNAKATA HANGERの売上にしっかり貢献してきた自負があります (笑)
何かというと、贈答品としてのハンガーです。結婚披露宴の引き出物をはじめ、友人の誕生日プレゼントや同僚の送別会など、ことあるごとにNAKATA HANGERのハンガーを贈ってきました。もっとも直近では、私の上司の送別会の際にオリジナルの刻印付きのハンガーをプレゼントしたことも。Adobe Illustratorで図面を入稿すれば、レーザー刻印して世界にひとつのハンガーを作ってもらえます。
余談ですが、NAKATA HANGER以外の贈り物として私の定番になっているのが、下の記事で紹介するカトラリー。ご興味があれば、併せてご覧ください。
NAKATA HANGERとアウトレット品
NAKATA HANGERでは、オンラインストアにて定期的にアウトレット品が販売されています。
傷や塗装ムラのあるB級品が、定価から15%程度割引されて出品されていることが多いようです。加えて、年末に福袋が売り出されており、こちらもB級品がランダムに詰め合わせて展開されています。

AUT-02やAUT-03、AUT-05などはこうしたアウトレット品を交えて費用を抑える形で導入してきました。しかし、これまでNH-2がアウトレットに出現したり、福袋に入っていたりといったことはありませんでした。
ついに導入、NH-2
上述のとおり手は出せていなかったものの、常に興味の中心にあったNH-2。セールで割引となることもなさそうなので、百貨店の株主優待を使うか、ふるさと納税を利用するか…… などと考えを巡らせていましたが、今回とある巡り合わせでNH-2を入手するに至りました。なお、上でアウトレット品や福袋を引き合いに出しましたが、今回入手したのはプロパー品です。

それでは、届いたばかりのNH-2の様子を紹介したいと思います。
開封の儀
NH-2は、下のような化粧箱に入って届きます。
化粧箱は、AUT-02向けのものと共通です。AUT-02よりも豪華な化粧箱で来るのだろうか、と若干期待しましたが、そうではない模様。いずれにせよ、箱なんてフリマアプリで商品が売れた時の梱包資材に回すだけなので、何でも結構。逆に、中途半端な桐の箱などで届いてしまうと、それはそれで処分が億劫なものです。

なお、NH-2やAUT-02は標準で化粧箱に入っていますが、AUT-03やAUT-05などのモデルにおいては化粧箱は有料オプションとなっているようです。上で書いたプレゼント用としては、私はAUT-03やAUT-05を選ぶことが多いですが、都度化粧箱代を支払っています。
箱を開けると、すぐにNH-2が出てきます。3万円超のハンガーにしては、少し地味なプレゼンテーションかな、という印象。もちろん、包装や梱包に過剰なコストを掛けても仕方がないですし、私もそれを望んではいません。

ただ、ネックポイントを中心に広がる曲線美は、これまで手にしてきたAUT-02やAUT-03とは異なることが一目でわかります。
NH-2の麗しいお姿
NH-2をフックに吊り下げてみました。端正な顔立ちのハンガーで、ハンガー単体でもオブジェとして眺めていられそうです。ドレスシューズの木型に見出せるものと似た造形美を覚えます。

トレンチと呼ばれる中央の溝が、非常に深く彫られています。NH-2の最大の特徴は、ハンガー本体が1ピースのブナ材を削り出して成形されていること。AUT-02も同様なのですが、NH-2の方がより抑揚の強いシェイプとなっています。

背面から。

あえてテーブルの上に転がしてみる。

どの角度から見ても、曲線美が際立つ工芸品です。
ロゴはレーザー刻印でしょうか。どこか丁寧さ・緻密さを感じず、ここは価格に見合った仕上げではないなという印象を受けました。

服を掛けてみる
続いて、実際にNH-2に洋服を掛けてみます。
そもそも、NH-2に期待していたこと
今回、NH-2を入手するにあたって個人的に期待したのが、ジャケットやコートを掛けた時の見栄えの良さ。
服の収納に役立てたいというよりは、不要になったジャケットやスーツ、コートなどをフリマサイトに出品する際に、服の魅力が引き立つ写真が撮れるようになれば、という意向です。平置きでの写真の場合、袖や身頃にアンコを入れたりするのに手間が掛かってしまいます。ハンガー吊しでいい写真が撮れるようになると、結構楽なのです。
ところで、人体に沿って構築された仕立て服は、ハンガーに掛けた時ではなく人が着た時に最も格好よく見えると言われます。そうはいうものの、ペラペラのハンガーではなく人の肩の傾斜や曲線を考慮したハンガーであれば、多少は綺麗に服を飾れるのかもしれません。
NH-2にジャケットを掛ける
そこで、手持ちのジャケットをNH-2に掛け、真正面から写真を撮影してみました。

使用したジャケットは、以下の記事で紹介しているものとなります。
個人的には、写りとして悪くないなと感じます。いかり肩かつ前肩の傾向が強い私の体型に沿って引かれた型紙のジャケットですが、綺麗に収まっている印象です。
末尾で紹介する続きの記事にて、AUT-02やAUT-03と比べるとどんな具合なのか?の比較を行いました。よろしければ、こちらも合わせてご参照ください。
NH-2にレザージャケットを掛ける
同様に、レザージャケットも掛けてみました。こちらも、写真写りは良好です。

いわゆるムートンの一種で、「トスカーナシアリング」と呼ばれる被毛がカールせず真っ直ぐになるように仕上げられた毛皮を使ったものです。このジャケットに関しては、下の記事で詳しく紹介しています。
NH-2にスタンドカラーのニットカーディガンを掛ける
個人的に上手くハマったなと感じたのが、スタンドカラーのニットカーディガンです。

品物は、大定番である〈Zanone (ザノーネ)〉の〈Chioto (キョート)〉です。ボディはメリノウール100%の5ゲージで、Chiotoの中でもド定番の仕様。平置きだと中々綺麗な襟の立ち上がりを再現することができませんが、NH-2だとこのとおり。きっと売れ行きにも好影響をもたらしてくれるはずです。
上の洋服は紛れも無いZanoneのChiotoですが、実際に私が愛用している (何着も色違いした) のは〈メーカーズシャツ鎌倉〉による「ジェネリックChioto」です。下の記事でチラッと言及していますので、ご関心があれば併せてご覧ください。
NH-2にTシャツを掛ける
ここまでで、何を掛けてもビシッと決まることは明らかなのですが、最後にTシャツを掛けた様子を。

こちらは、〈The Inoue Brothers (ザイノウエブラザーズ)〉によるワッフル地のTシャツです。ビビッドなマスタードイエローが気に入っている一着。Tシャツの肩幅が実寸で48 cmあるため、両肩はハンガーに乗り切らず垂れ下がっていますが、それでも平置きよりは男前に写っているのではないかと。
最後に
以前からずっと関心があり、この度ようやく入手に至ったNAKATA HANGERのNH-2を紹介しました。
しつこいようですが、非常に美しい工芸品であるNH-2。普段は洋服を掛けずにそのまま壁に吊るし、オブジェとして堪能しています。

下の続きの記事では、NH-2と私の手持ちのAUT-02やAUT-03を比較しています。
NH-2はWebにレビュー記事の類が見当たらず、購入前の情報収集も思うように進みませんでした。本記事、そして次回の記事が、NAKATA HANGERのハイエンドなハンガーの導入検討に役立てば幸いです。
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