2025年。初売りの戦利品

やや今更な話題ですが、今年の初売りで皆さまは何をお求めになりましたか?

私も、正月三が日に近所の百貨店に出かけ、少しだけ買い物をして帰りました。主要な戦場はデパ地下の食品売り場で、お惣菜や乾物の福袋を狙いに行ったわけなのですが、身につけるものでいうと〈Tani (タニ)〉のアンダーウェアを購入しました。

Tani | とろけるような着心地の下着とラウンジウェア通販
Taniはとろけるような着心地のアンダーウェアとラウンジウェアをお届けします。「タイムレス」なデザインと、きめ細やかな縫製による「快適さ」、「サステナビリティへの配慮」という3つの理念を掲げます。

以前から気にはなっていたものの、今回初めて手にすることになったTaniのアンダーウェア。なかでも、「プロヴァンスプリント」で有名な〈Souleiado (ソレイアード)〉とのコラボレーションによるテキスタイルを使ったものを入手しました。

Souleiadoのテキスタイルを使ったTaniのアンダーウェア
Souleiadoのテキスタイルを使ったTaniのアンダーウェア

Taniのアンダーウェア

ボクサーブリーフの中心価格が4,000円程度と、やや高級なアンダーウェアを展開するTani。百貨店の紳士服フロアの隅にある肌着売り場で見つかるほか、東京・代官山には直営の路面店もあるようです。肌着だけでなく部屋着の類も展開していたり、レディースのラインナップもあるようですが、メンズのインナーウェア主体で路面店を出す、というのは攻めていますね。

以前からTaniのアンダーウェアが気になっていたのは、その独特な触感の生地に興味を惹かれたためでした。〈Silktouch (シルクタッチ)〉と名付けられたレーヨン素材。より具体的には、Lenzing (レンチング)〉社の〈Tencel (テンセル)〉というレーヨンです。昔、洗濯表示タグに「指定外繊維 (テンセル)」と書いてある洋服をたまに見かけましたが、ホッチキスやセロテープ、ポリバケツのように、このテンセルが特定の企業の商標であることを今回初めて知りました。なお、2017年の法改正により、こうした洗濯表示のルールが変わっているようです。

Tencelの紙タグ
Tencelの紙タグ

かつては「人絹 (じんけん、人造絹糸)」と多く呼ばれた再生繊維であるレーヨン。テンセルは、セルロース繊維の原料としてブナ材が使われているものです。レーヨンは水濡れや摩擦に弱いので、ガッツリ水洗いしたい肌着なぞ全くもって不向きですが、テンセルは多少水濡れに強いとのこと。このようにして、耐久性とシルクライクな肌触りを両立しているということなのでしょう。私は寝間着や枕カバーなどにシルクサテンのものを使っていますが、確かに肌触りが非常に似ています。シルクサテンといえば、洋服の裏地にシルクサテンを使ってみたエピソードを下の記事で紹介しています。

難点があるとすれば、乾燥機に掛けられないことでしょうか。せっかく自宅にドラム式洗濯乾燥機があるので、本来は肌着や靴下くらいは乾燥機を使いたいところ。乾燥機が役に立つのが、タオルの洗濯時程度となってしまっています。

Souleiadoとのコラボレーション生地

前述のとおり、Souleiadoはいわゆるプロヴァンスプリントで有名なテキスタイルメーカー。南仏・南欧の雑貨を取り扱う店先でよく見かけます。いずれも英国ですが、〈Liberty (リバティ)〉や〈Morris & Co. (モリスアンドコー)〉みたいなメーカーでしょうか。

Souleiado by Tani / ソレイアード by Tani
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下の記事によると、昨年のパリオリンピックを記念してのコラボレーションなのだとか。4年に一度の大祭も今や昔のこととなり、セールに漂着したのでしょうか。

入荷しました🎉 Souleiado by Tani カプセル・コレクション新登場
フランスで開催されるオリンピックを記念して、南仏のプロヴァンス・プリントを代表する老舗ブランド「SOULEIADO(ソレイアード)」とカプセル・コレクションを作りました。 コレクション一覧はこちら。 阪急メンズ東京 B1Fのフラッグシップス...

今回私が手に取ったのは、〈La Petite Mouche (ラプティムッシュ)〉という柄のものです。いかにも南仏のテキスタイルっぽいな、と思ってこちらにしました。Moucheはハエのような虫を指すことばですが、この模様はどう見るとハエに見えるのだろうか。

SouleiadoによるLa Petite Mouche柄の生地
La Petite Mouche柄の生地

La Petite Moucheに加えてラギオール (Laguiole) ナイフなど、南仏の生活雑貨には虫をモチーフにしたものをよく見かける気がします。ラングドックの名ワイン〈Cigalus (シガリュス)〉も、その名の由来はフランス語でセミを意味する “Cigale” に由来しているとか。何か特別な理由があるのでしょうか?

ムッシュ、といえば、男性に対する呼びかけ (英語でいうところのMister/Mr.) の “Monsieur” は、カタカナで表すとすると「ムッシュ」ではなく「ムシュー」なんですよね。ムッシュかまやつ氏も本当は「ムシューかまやつ」の方が原語の発音に近く、ホットサンドのクロックムッシュも「クロックムシュー」とするべきなのでしょうか。

履き心地は、同じSilktouchを使った通常の製品となんら変わりがありませんが、定価は倍ほど異なるこの商品。セール価格になって、やっと通常品の定価とトントンになったところを購入したという次第です。なお、同じタイミングでTani公式オンラインストアでもセールが開催されており、百貨店の店頭価格も公式オンラインセールも同じ価格でした。株主優待によって、少しだけ安くなりましたが。

最後に

今回はコンパクトな内容となってしまいましたが、初売りの戦利品について紹介しました。

Souleiadoのテキスタイルを使ったTaniのアンダーウェア

この記事をしたためている正月明け現在、間も無くやってくる仕事の出張の準備などでバタバタしており、今回は小ネタでのアップデートとなりました。

Authored by
Navy Circle

サルトリアル・クラフツマンシップを中心としたクラシックファッションを追いかけるY世代。Respecting the long-lasting classics and craftsmanship

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