阪急メンズ東京で世界大会入賞の靴を拝見

今回は、当初は前回の続きで一本木の傘に関する記事を投稿する予定でした。しかしながら、先日東京・有楽町の阪急メンズ東京で興味深い出会いがあったので、そちらを紹介することにしました。

World Championship in Shoemaking入賞の新進シューメーカー「ROSICA Footwear」

本記事投稿の前日である2023年3月25日、有楽町界隈での用事のついでに冷やかしで入った阪急メンズ東京5階の靴売り場。CheaneyやGazino & Girlingを置いている一角を進んだところに、何となく近寄りにくさを感じる小部屋があります。勇気を出して近づいてみると、「shoes academy~卒業制作作品展示~」と銘打った催しが開かれていました。

403 Forbidden

そこでお見かけしたのが、「ROSICA Footwear」さんでした。話によると、つい先日工房・ブランドを立ち上げられたばかりとのことで、このイベントでの出展が初めてのお披露目であったようです。

一際目を引いたのが、下のサンプル。

羽根からクォーターに続く曲線や特徴のあるブローギングに「何となく見覚えあるよな」と感じたのですが、それもそのはず。World Championship in Shoemaking 2022で7位に入賞した作品そのもの、とのことでした。この作品については、上記コンペティションの主催者のひとりであるShoegazingのJesper Ingevaldssonさんが仔細にレビューされています。

World Championships in Shoemaking 2022 - All competition shoes pt.1 - Shoegazing.com
30 longwing brogues, made by shoemakers from all over the world. Here

実物を拝見しても、大変強いオーラを感じる靴でした。World Championship in Shoemaking 2022のレギュレーションはバーガンディのアッパー・フルブローグのダービーというものでしたが、私もこのスタイルには非常に強くインスパイアされました。そうした中で、この作品の雰囲気が大変気になり、今後のビスポークオーダーの参考にしよう、とOneNoteにクリップしていました。そうしたこともあり、大変貴重な邂逅を果たせたのかと感じます。ただ、この作品のウィズは細めなので、私の太い足だと少し上手くハマらないかもしれないのが難しいところです。
(ビスポーク職人さんの作例、心がときめくものは往々にしてCウィズだったりするのですよね…)

World Championship in Shoemaking 2022に関しては、日本経済新聞のNikkei Styleでも特集がなされています。

革靴の王国・日本 欧州伝来の職人技、本場で称賛 - 日本経済新聞
日本で西洋式の靴作りが始まったのは明治時代の初め。それから約150年を経て、日本のものづくりは存在感が薄れたように思えるが、伝統的な手作り靴では日本旋風が吹き荒れる。欧州の世界的コンクールで1~3位を日本人が独占し、海外から職人修業に訪れる...

今年5月、英国ロンドンのイベント会場に集まった紳士靴愛好家らに衝撃が走った。スウェーデンの靴情報サイト「シューゲイジング」などが主催する世界的な靴職人コンクール「ワールドチャンピオンシップス・イン・シューメーキング」の結果が発表され、1位から3位までを日本人が独占したのだ。 

コンクールは2018年が第1回で、日本人の過去最高は前回19年の3位だった。今回は10位以内に日本人が過去最多の6組も入る快挙となった。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD25CKZ0V21C22A1000000/

入賞者に日本人がズラリと並んだのもエピックなことではありますが、大手新聞が日本のハンドメイドシューズ界隈を盛り立てようとしてくれたことが個人的には非常にエピックに感じました。

Authored by
Navy Circle

サルトリアル・クラフツマンシップを中心としたクラシックファッションを追いかけるY世代。Respecting the long-lasting classics and craftsmanship

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