私の愛用品 (6) YSL rive gaucheの銘品鞄Mombasa

私には、10代の頃から今に至るまで使い続けているファッションアイテムがひとつ存在します。

〈Yves Saint Laurent rive gauche (イヴサンローランリヴゴーシュ、以下YSL rive gauche)〉による、〈Mombasa (モンバサ)〉シリーズのショルダーバッグです。

"Mombasa" shoulder bag by Yves Saint Laurent rive gauche
“Mombasa” shoulder bag by Yves Saint Laurent rive gauche

YSL rive gaucheは当時のプレタポルテラインで、現在の〈Saint Laurent (サンローラン)〉に相当します。

男性向けのMombasaシリーズの鞄は、2000年代中盤頃に高い注目を集めていた記憶があるのですが、現在はWebで検索をしても何も情報がヒットしません。そうしたことから、アーカイブの意味も込めてMombasaシリーズの鞄について書きたいと思います。

Mombasaシリーズの鞄について

Mombasaは、Tom Ford (トムフォード) 氏がYSL rive gaucheのクリエイティブディレクターを務めていた時代に登場した鞄です。デビューは2000年代前半であったようですが、当時の〈New York Times (ニューヨークタイムズ)〉がその商業的成功を報じています。

Must You Have the Bags They Say You Must Have? (Published 2002)
Comment on high-end handbags as important fashion accessory; ever since Prada made black nylon chic in early 1990's, han...
Yves Saint Laurent rive gaucheの2002/2003年秋冬コレクションに登場するMombasaバッグ
スクリーンショット出典: https://www.vogue.com/fashion-shows/fall-2002-ready-to-wear/saint-laurent/slideshow/collection#13 (2023年7月取得)
YSL rive gaucheの2002/2003年秋冬コレクションに登場するMombasa
スクリーンショット出典: https://www.vogue.com/fashion-shows/fall-2002-ready-to-wear/saint-laurent/slideshow/collection#13 (2023年7月取得)

Tom Ford氏がYSL、そして〈Kerring (ケリング)〉グループを去った後も、数年は新作が発表されていました。

Mombasaラインの特徴の一つに、ハンドルやストラップに動物の角が使われていることがあります。また、当初はハンドバッグが中心となっていたようですが、男性でも違和感なく使えるショルダーバッグ型のモデルが登場します。当時、このショルダーバッグはスタイリストの野口強氏が愛用されているとファッション誌で紹介されたことで、人気に火がついたと記憶しています。

Yves Saint Laurent rive gaucheの "Mombasa" ショルダーバッグ。ストラップにあしらわれた鹿の角
Mombasaショルダーバッグのストラップにあしらわれた水牛 (もしくは鹿?) の角

上のNew York Timesの記事では、Mombasaがハンドル・ストラップに動物の角を使うのは、〈Gucci (グッチ)〉の〈Bamboo (バンブー)〉シリーズの影響ではないかと考察されています。YSLは1999年にGucciに買収され、Tom Ford氏は当初担っていたGucciに加え、YSL rive gaucheのクリエイティブディレクターを兼任することになりました。そこから2年ほど経って登場したのがMombasaシリーズということもあり、何かのつながりを感じさせます。

私の所有するMombasa

現在、私の手元には3つのMombasaショルダーバッグがあります。

(1) ストラップの長いモデル

本記事の冒頭で写真を掲載した個体です。やや長めのショルダーストラップには、上述のように水牛 (鹿だったかも) の角が連結されています。

Yves Saint Laurent rive gaucheの "Mombasa" ショルダーバッグ。鹿の角のパーツにクロースアップ革のストラップに繋がれた鹿 (または水牛?) の角
革のストラップに繋がれた水牛 (もしくは鹿?) の角
Yves Saint Laurent rive gaucheの "Mombasa" ショルダーバッグ。鹿の角のパーツにクロースアップ
角のパーツにクロースアップ

表面の革は独特の風合いです。どういった革だったかは失念してしまいました。もしかすると、角と同様に水牛革なのかもしれません (テクスチャは水牛っぽい)。

Yves Saint Laurent rive gaucheの "Mombasa" ショルダーバッグ。表面の革の雰囲気
表面の革の雰囲気

内側はスウェードが貼られています。表面の銀付き革の床面、という感じではなく、内装用の別の革があしらわれているようです。

Yves Saint Laurent rive gaucheの "Mombasa" ショルダーバッグの内側
Mombasaショルダーバッグの内側

マチは薄く、あまり多く物が入る方ではありません。14インチのラップトップがギリギリ入ります。

Yves Saint Laurent rive gaucheの Mombasa" ショルダーバッグに、14インチのラップトップを重ねてみた様子
14インチのラップトップを重ねてみた様子

背中にたすき掛けすると、下のような感じです。

Yves Saint Laurent rive gaucheの "Mombasa" ショルダーバッグ (ストラップ長め) を着用した様子
着用してみた

(2) ストラップの短いモデル

2点目は、1点目とボディの大きさは同じで、ストラップが短いモデル。こちらには、角のデコレーションはありません。

Yves Saint Laurent rive gaucheの" Mombasa" ショルダーバッグ。ストラップ短めのモデル
ストラップ短めのモデル

こちらも、かなりアジのある表面です。

Yves Saint Laurent rive gaucheの "Mombasa" ショルダーバッグ
ストラップ短めのモデルの表面

こちらも、着用してみるとこのようなイメージ。ストラップが短い分、全体の重心が上寄りになります。

Yves Saint Laurent rive gaucheの "Monbasa" ショルダーバッグ (ストラップ短め) を着用した様子
着用してみた

(3) 小さめのモデル

3点目は、小さめのモデル。

Yves Saint Laurent rive gaucheの "Mombasa" ショルダーバッグ。小さめモデル
小さめモデル

1点目と比べるとこんな感じです。スマートフォンや財布、サングラス程度しか収納できないサイズ感です。

Yves Saint Laurent rive gaucheの "Mombasa" ショルダーバッグ。小さめモデルと大きいモデルと重ねてみる
大きいモデルと重ねてみる

表面はスウェード。

Yves Saint Laurent rive gaucheの "Mombasa" ショルダーバッグ。スウェードの表面
スウェードの表面

ストラップには、金属のパーツが使われています。

Yves Saint Laurent rive gaucheの "Mombasa" ショルダーバッグ。金属のパーツが使用されたストラップ
金属のパーツが使用されたストラップ

こちらのモデルは体に斜め掛けするには少し小さすぎるので、クラッチバッグのように手で掴んで使うことが多いです。

最後に

今回は、私が10年以上にわたって愛用してきたデザイナーズブランドの鞄を紹介しました。

Mombasaシリーズは遥か昔に廃盤となってしまっているため、新たに入手するにはセカンドハンドを探さなければなりません。私は、フリマサイト上でMombasaシリーズの新古品・状態の良い中古品をウォッチしてきたのですが、最近は弾数が少なくなってきました。手持ちの3つも少し傷みが目立つようになってきたので、状態の良い個体に巡り合うことがあればストックに加えておきたいと思います。


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Authored by
Navy Circle

サルトリアル・クラフツマンシップを中心としたクラシックファッションを追いかけるY世代。Respecting the long-lasting classics and craftsmanship

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