バックルを交換してベルトを刷新する (3) 完成したベルト

過去2回にわたって、手持ちのベルトのバックルを交換するためのアイデアや取り組みを紹介してきました。
銀色のバックルや少し派手な真鍮製のバックルを、エレガントでドレッシーな金メッキ・磨きのバックルに交換したいこと。

クロームメッキの金具があしらわれたクロコダイル革のベルト。金具が銀色なのがしっくりこず、十分に活用できていなかった
クロームメッキの金具があしらわれたクロコダイル革のベルト。金具が銀色なのがしっくりこず、十分に活用できていなかった

そして、そうしたバックルを求めて東京・蔵前の金物街に赴いたこと。

バックルを購入した宮田金属工業の前にて。蔵前の金具街の一角に居を構えている
バックルを購入した宮田金属工業の前にて。蔵前の金具街の一角に居を構えている

今回は、蔵前の金具メーカーにて購入したバックルの取り付けを手配したエピソードを紹介するとともに、完成したベルトを紹介したいと思います。

ベルト専業メーカーに交換を依頼する

バックルの交換は、「浅香ベルト」さんに依頼することにしました。
アパレルメーカーに納めるOEM製品や、WebサイトでのMade to order (MTO) などを中心としたベルトの専業メーカーで、今回の私のニーズのような既存のベルトのお直しにも対応してくれるようです。

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前々回の記事にて、Andrea D’Amicoのクロコダイル革ベルトのバックルを交換したことに触れましたが、実はこのときに交換の相談をしたのも浅香ベルトでした。

Andrea D’Amicoのベルト。購入時の状態と交換先のバックル
Andrea D’Amicoのベルト。購入時の状態と交換先のバックル

ミシンでの縫製であれば、バックルの交換を1,100円 (税込) と非常に安価で対応いただけます (2023年10月時点)。
一方、過去に紹介した「The Warmthcrafts Manufacture (ジウォームスクラフツマニュファクチャー)」のコードヴァンベルトのように手縫いで仕上げられているベルトについては、追加料金のもと手縫いで仕上げていただけるようです。

The Warmthcrafts Manufactureのコードヴァンベルト。ステッチが手縫いとなっている
The Warmthcrafts Manufactureのコードヴァンベルト。ステッチが手縫いとなっている

メールでお直しの内容をすり合わせた後、ベルトを浅香ベルトに郵送。
郵送後、わずか数日で仕上げて返送いただきました。

お直しが完了したベルト

ここからは、お直しから戻ってきたベルトを紹介したいと思います。

Orcianiのクロコダイル革ベルト

まずは、「Orciani (オルチアーニ)」によるベルト。ベルトそのものの詳しい紹介はこちら
お直しに出す前の状態を再掲しておきます。

お直し前のOrcianiのクロコダイル革ベルト
お直し前のOrcianiのクロコダイル革ベルト

クロムメッキの銀色のバックルが、金メッキ磨きのバックルに交換されました。

お直し後のOrcianiのクロコダイル革ベルト (1)
お直し後のOrcianiのクロコダイル革ベルト (1)

ちょっとバックルの存在感が強いかな… という気もしますが、銀色のバックルが付いた元の状態よりも私としての使い勝手は向上しました。
同じ金メッキでも、例えば角形・サテン仕上げの方が程よく落ち着いていてよかったかも、という気がします。
とはいうものの、好みのものを自由に選べるほどバックルの選択肢がないのが現実ですが……。

お直し後のOrcianiのクロコダイル革ベルト (2)
お直し後のOrcianiのクロコダイル革ベルト (2)

Giorgio Zoniのシボ革ベルト

続いて、「Giorgio Zoni (ジョルジオゾーニ)」のシボ革のベルトです。こちらに説明を記しました。

お直し前のGiorgio Zoniのシボ革ベルト
お直し前のGiorgio Zoniのシボ革ベルト

下のとおり、細身でエレガントなバックルが装着されました。

お直し後のGiorgio Zoniのシボ革ベルト (1)
お直し後のGiorgio Zoniのシボ革ベルト (1)

ところで、前回の記事にて、使いたいバックルの強度が十分かどうか不明だという点に触れました
浅香ベルトの職人さんに見ていただいた結果、強度は多分大丈夫ではなかろうか、とのことなので、こちらのバックルを取り付けていただくことにしました。

なお、バックルの交換に際し、帯革でバックルを挟んでいる部分のステッチが一旦解かれ、再度縫い直されます。
上のOrcianiのベルトも然りですが、帯革の色と非常に近しい色の糸で縫われていることが確認できます。
こうした仕上げのレベルの高さは、ベルト専業メーカーの浅香ベルトならではなのでしょう。

お直し後のGiorgio Zoniのシボ革ベルト (2)
お直し後のGiorgio Zoniのシボ革ベルト (2)

トラウザーズに巻いてみた

新しいバックルで生まれ変わったベルトを、手持ちのトラウザーズに巻いてみました。
少しカジュアルな雰囲気のOrcianiのベルト。ややカジュアルな雰囲気のあるトラウザーズを準備してみました。
ウールのサージにワンプリーツとドレストラウザーズとしての造りを有する一方、オリーブグリーンという色味によって程よくドレスダウンできる一着ではないかと考え、こちらを選びました。

オリーブグリーンのトラウザーズ
オリーブグリーンのトラウザーズ

平置きのまま、Orcianiのベルトを装着。

トラウザーズに装着したOrcianiのクロコダイル革ベルト (1)
トラウザーズに装着したOrcianiのクロコダイル革ベルト (1)

やはり、少しバックルの主張が強すぎるような気が。

トラウザーズに装着したOrcianiのクロコダイル革ベルト (2)
トラウザーズに装着したOrcianiのクロコダイル革ベルト (2)

そして、Giorgio Zoniのベルト。
こちらは、実際に着用してみました。

トラウザーズに装着したGirgio Zoniのシボ革ベルト

ドレッシーな装いを引き立ててくれそうなバックルです。
ドレスシューズや、ゴールドのメタルウェアとのコーディネートに便利なベルトとなりました。

Girgio Zoniのシボ革ベルトとドレスシューズ・メタルウェアの組合せ

手に持ったドレスシューズは、下の記事で紹介したものです。

最後に

ここまで、3回にわたってベルトのバックルを交換したエピソードをご紹介しました。
私の趣向・コーディネートに沿うべく金メッキのバックルを探し求めた結果、東京・蔵前の金具メーカー・問屋を訪問することに。
そして、入手したバックルとベルトを浅香ベルトに郵送し、期待どおりのゴールドのバックルを纏ったベルトとなって帰ってきました。

金具店でバックルを購入してお直しに出すオプションを念頭に置けば、既製品のベルト選びの幅が広がるな、ということに改めて気づきました。
過去にも、「このベルト、バックルが金色だったら即決なのに」といったベルトに出会うことがあったのですが、バックル交換の選択肢が頭になく逃してしまっていました。
MTOのベルトという選択肢も考えられますが、特にハイグレードなベルトにおけるMTOのアップチャージは往々にして高額です。
一方、今回私が蔵前で購入したバックルの価格や浅香ベルトでのお直しの料金、往復の送料 (送料は複数点まとめての発送を前提) などを合計すると、高々3,000円程度です。
これは、MTOのアップチャージよりもはるかに安価にはずです。

私と同様に金色のバックルのベルトを追い求めている方にとって、何かの参考になれば幸いです。
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