私には、10代の頃から今に至るまで使い続けているファッションアイテムがひとつ存在します。
「Yves Saint Laurent rive gauche (イヴサンローランリヴゴーシュ、以下YSL rive gauche)」による、Mombasa (モンバサ) シリーズのショルダーバッグです。

YSL rive gaucheは当時のプレタポルテラインで、現在の「Saint Laurent (サンローラン)」に相当します。
男性向けのMombasaシリーズの鞄は、2000年代中盤頃に高い注目を集めていた記憶があるのですが、現在はWebで検索をしても何も情報がヒットしません。
そうしたことから、アーカイブの意味も込めてMombasaシリーズの鞄について書きたいと思います。
Mombasaシリーズの鞄について
Mombasaは、Tom Ford (トムフォード) 氏がYSL rive gaucheのクリエイティブディレクターを務めていた時代に登場した鞄です。
そのデビューは2000年代前半であったようですが、当時のNew York Timesがその商業的成功を報じています。


スクリーンショット出典: https://www.vogue.com/fashion-shows/fall-2002-ready-to-wear/saint-laurent/slideshow/collection#13 (2023年7月取得)
Tom Ford氏がYSL、そしてKerring (ケリング) グループを去った後も、数年は新作が発表されていました。
Mombasaラインの特徴の一つに、ハンドルやストラップに動物の角が使われていることがあります。
また、当初はハンドバッグが中心となっていたようですが、男性でも違和感なく使えるショルダーバッグ型のモデルが登場します。
当時、このショルダーバッグはスタイリストの野口強氏が愛用されているとファッション誌で紹介されたことで、人気に火がついたと記憶しています。

上のNew York Timesの記事では、Mombasaがハンドル・ストラップに動物の角を使うのは、Gucci (グッチ) のBamboo (バンブー) シリーズの影響ではないかと考察されています。
YSLは1999年にGucciに買収され、Tom Ford氏は当初担っていたGucciに加え、YSL rive gaucheのクリエイティブディレクターを兼任することになりました。
そこから2年ほど経って登場したのがMombasaシリーズということもあり、何かのつながりを感じさせます。
私の所有するMombasa
現在、私の手元には3つのMombasaショルダーバッグがあります。
(1) ストラップの長いモデル
本記事の冒頭で写真を掲載した個体です。
やや長めのショルダーストラップには、上述のように水牛 (鹿だったかも) の角が連結されています。


表面の革は独特の風合いです。
どういった革だったかは失念してしまいました。
もしかすると、角と同様に水牛革なのかもしれません (テクスチャは水牛っぽい)。

内側はスウェードが貼られています。
表面の銀付き革の床面、という感じではなく、内装用の別の革があしらわれているようです。

マチは薄く、あまり多く物が入る方ではありません。
14インチのラップトップがギリギリ入ります。

背中にたすき掛けすると、下のような感じです。

(2) ストラップの短いモデル
2点目は、1点目とボディの大きさは同じで、ストラップが短いモデル。
こちらには、角のデコレーションはありません。

こちらも、かなりアジのある表面です。

こちらも、着用してみるとこのようなイメージ。
ストラップが短い分、全体の重心が上寄りになります。

(3) 小さめのモデル
3点目は、小さめのモデル。

1点目と比べるとこんな感じです。
スマートフォンや財布、サングラス程度しか収納できないサイズ感です。

表面はスウェード。

ストラップには、金属のパーツが使われています。

こちらのモデルは体に斜め掛けするには少し小さすぎるので、クラッチバッグのように手で掴んで使うことが多いです。
最後に
今回は、私が10年以上にわたって愛用してきたデザイナーズブランドの鞄を紹介しました。
Mombasaシリーズは遥か昔に廃盤となってしまっているため、新たに入手するにはセカンドハンドを探さなければなりません。
私は、フリマサイト上でMombasaシリーズの新古品・状態の良い中古品をウォッチしてきたのですが、最近は弾数が少なくなってきました。
手持ちの3つも少し傷みが目立つようになってきたので、状態の良い個体に巡り合うことがあればストックに加えておきたいと思います。
コメント