5K2Kで120 Hzのディスプレイ「U4025QW」その1

この春、以前から気になっていた大物のガジェットを導入しました。

〈DELL Technologies (デルテクノロジーズ)〉による、新型の40インチウルトラワイドディスプレイ〈U4025QW〉です。

U4025QW by DELL Technologies
U4025QW by DELL Technologies
Dellデジタル ハイエンド シリーズ40インチ曲面Thunderbolt™ハブ モニター - U4025QW | Dell 日本
120Hzリフレッシュ レートの美しい5Kディスプレイを搭載したデジタル ハイエンド シリーズ40インチ曲面Thunderboltハブ モニター - U4025QWをぜひご購入ください。

CRTの時代を除けば、実勢価格にして5万円を超えるような外付けディスプレイなぞ接点の無かった私にとって、20万円超のディスプレイは全くもって未知の世界。こんなに高額なディスプレイを買ってしまってよいものか非常に悩み、X (旧Twitter) で動向をウォッチするもあまり情報は得られず。そんな中、マイナビニュースによる下の記事に背中を押されて注文を決意しました。

「Dell U4025QW」レビュー、5K2K解像度・120Hzの圧倒的性能を堪能できる40型ウルトラワイド
デルの5K2Kモニターの新型「U4025QW」が国内でも発売されました。前モデルの「U4021QW」の存在は知っていて5K2Kが気になっていたので、いい機会だからと思い切って購入、しばらく使ってみたので実際にレビューします。

ディスプレイの良し悪しについてあれこれ語れるほど知識はないのですが、私と同じように関心のある方の参考になればという観点で、開封から1週間ほど使ったうえでのファーストインプレッションをお届けしたいと思います。

私の用途

U4025QWの一番の目玉機能は、5K2K (5,120 x 2,160ドット) 解像度と120 Hzのリフレッシュレートの両立でしょう。これに加えてカラーマネジメントのようなクリエイター向けの機能性も備わっている一方、製品Webページを見ると非クリエイター層の事務作業向けに訴求するようなメッセージも見受けます。

このディスプレイですが、私は仕事とプライベートの両方に活用するつもりで購入しました。仕事は一般的な事務作業に加え、Microsoft PowerPointやAdobe Illustrator、InDesignを使った資料作成、あるいはMicrosoft WordやPDF形式の技術文書のレビューといった、別にハイスペックなディスプレイでなくともなんとでもなるような作業が多くを占めます。たまに、複数の場所から情報をコピペしてひとつの場所に整理するようなアナクロな作業もあり、そうした場合にはウルトラワイドが役に立ちそうです。

プライベートでは、Adobe Lightroom、Photoshopを使った写真の現像・編集を行いますが、特段強いこだわりがあるわけでもなく、ディスプレイのカラーマネジメントまで手を出そうなどと考えたことはありません。

U4025QW導入前のデスクトップ環境

今回U4025QWを導入する以前は、過去5年ほどにわたって〈LG (エルジー)〉製の4K (3,840 x 2,160ドット) ディスプレイを使用してきました。32インチのもので、エントリークラスに位置付けられる4万円程度の機種です。

32インチの4Kディスプレイを中心とした以前のデスクトップ環境
32インチの4Kディスプレイを中心とした以前のデスクトップ環境

ちなみに、キーボードの手前にあるリストレストは、下の記事で紹介している少し特殊なものです。

向かって左側に、PC (MacBook Pro) を固定する機構を持ったディスプレイアームを使用し、PCの内蔵ディスプレイを並べて使用していました。主に、Web会議で自分の画面を共有をする際にこの内蔵ディスプレイを使っています。

PCの内蔵ディスプレイを並べて使用
PCの内蔵ディスプレイを並べて使用

最近はUSB-Cドック機能を兼ね揃えたようなディスプレイが増えているようですが、数年前のエントリーモデルにそうした高尚なものはありません。そこで、PCとディスプレイ、およびその他の周辺機器との接続は、Thunderbolt 3ドックを介して行っていました。

Lenovo製のThunderbolt 3ドック
Lenovo (レノボ) 製のThunderbolt 3ドック

上に挙げたような用途に対し、この4Kディスプレイが力不足に感じたことはほとんどありません。そのため、必要に迫られてというよりは、興味本位でU4025QWに手を出してみたというのが実情です。

U4025QWを設置してみる

さて、前述の古い環境に対して、ディスプレイを交換した様子が冒頭の写真です (下に再掲)。

U4025QW by DELL Technologies

この写真は、普段椅子に座ってディスプレイを見る際の目の位置を意識して撮影しており、カメラからディスプレイまでの距離は約80 cmとなっています。使用している机は幅が120 cmと小さめのものなのに対し、ディスプレイの横幅は端から端まで直線で95 cm。机の横幅全体にディスプレイが広がっているような様相で、非常に高い没入感を感じます。U4025QWは曲面ディスプレイですが、そこまで強く湾曲しているようには感じず、自然な曲がり具合 (?) といったところ。

以前の環境との比較

上の古いデスクトップ環境と、U4025QWの環境を比べたのが下の写真。カメラと机・ディスプレイの位置関係がほぼ同じとなるように撮影しています。

32インチの4Kディスプレイを中心とした以前のデスクトップ環境DELL U4025QWを設置したデスクトップ環境

この2枚を見比べると、32インチワイド (16:9) と40インチウルトラワイド (21:9) のU4025QWの間で、高さはほぼ変わらないように見えます。これは実寸も然りで、高さはそのまま、幅が33%拡張されているような感じです。U4025QWと32インチの4Kディスプレイとの間で寸法上の高さも縦方向のピクセル数も変わらないことを活かし、マルチディスプレイ環境を組むというのもひとつの選択肢でしたが、私には不要かなと判断して古い32インチディスプレイは処分してしまいました。U4025QWは内蔵のUSB-Cダウンストリームポートを活用し、ディスプレイのデイジーチェーン接続ができるというのも、マルチディスプレイ環境構築を行ううえでのアドバンテージになりそうです。

U4025QWにはThunderbolt 4ドック機能が内蔵されているので、前述のThunderbolt 3ドックは不要となりました。加えて、表示領域が広がったこともあり、PCの内蔵ディスプレイを併用するためのアームは取り外してしまいました。現在は、PCはクラムシェルで運用しています。

ディスプレイアームと耐荷重

古いディスプレイは、定番のディスプレイアームである〈Ergotron (エルゴトロン)〉の「LXデスクマウントアーム」を使用して机に固定していました。

その耐荷重は最大11.3 kgとなっているのに対し、U4025QWの付属スタンドを除いたディスプレイのみの重量は8.35 kg。より強力なアームに交換することなく、LXデスクマウントアームを使い続けることができます。しかし、心なしかディスプレイアームの支柱がディスプレイの取り付け部側に曲がっている気がします。これは以前の4Kディスプレイを使用してきた頃から蓄積された疲労によるものなのか、それともU4025QWの重みによるものなのか。

若干しなっているLXデスクマウントアームの支柱
若干しなっているLXデスクマウントアームの支柱

M1 Pro Macと5K2K・120 Hzリフレッシュレート

本機の最大の特徴である、5K2K解像度での120 Hzのリフレッシュレート。しかし、購入前の時点で、私の手持ちのPCでは十分に恩恵を享受できなさそうだ、ということがわかっていました。

私は、仕事でもプライベートでも2021年モデルのMacBook Pro 14インチ (M1 Pro) を使用していますが、Redditのスレッドでは、本機はU4025QWへの5K2K・120 Hz出力には対応していないようだ、という報告がなされています。

実際に接続し、システム環境設定からリフレッシュレートの設定項目を確認すると、確かに120 Hz出力の選択肢はありません。

U4025QWにMacBook Pro (M1 Pro搭載) を接続した際のディスプレイ設定画面
U4025QWにMacBook Pro (M1 Pro搭載) を接続した際のディスプレイ設定画面

一方で、「カスタムEDID (Extended Display Identification Data)」なるものを定義し、Mac側で検出されているディスプレイ構成情報をオーバーライドする (?) ことで120 Hzに近いリフレッシュレートを達成する手法も報告されています。この辺りは、時間があるときに試してみたいと考えています。

こんな感じで、私としては120 Hz出力に強いこだわりがあるわけではありません。私の用途だと、120 Hzの旨味はせいぜいWebブラウジングや書類閲覧時のスクロール描画が滑らかになる程度でしょうか。120 Hzのリフレッシュレートを活用しないのであれば、リフレッシュレートこそ最大60 HzながらU4025QWよりも10万円近く安いLGの〈40WP95C〉で十分ともいえます。しかし、この2機種はリリースタイミングに2年の差があることも考慮し、フューチャープルーフの観点でU4025QWを選びました。

【公式】 LG 21:9 ウルトラワイドモニター - 40WP95C-W | LG JP | LG JP
40WP95C-Wの製品情報。製品画像、レビュー、スペックなど詳しくはこちら。39.7インチ 5K2K Nano IPS 曲面型ウルトラワイドモニター

上のRedditの口コミを見ていると、M1 Pro/Max搭載のMacBook Proの場合、5K2K・120 Hz出力にはMac側の映像出力の帯域幅が足りないように見受けます。これがソフトウェア的な制約に起因するものであるとすれば、Mac側のファームウェアアップデートで将来的に120 Hz対応になってくれれば嬉しいところです。

最後に

今回は、私にとって最近の大物投資物件であるウルトラワイドディスプレイを紹介しました。これに続く形で、次回はU4025QWのディテールについて私の感想を紹介したいと考えています。

このディスプレイを導入したことで、生産性やら何やらがアップしたわけでもないですが、新しい玩具を手に入れた高揚感か、少し前向きな気持ちで仕事に臨めています。U4025QWへの資金にもうちょい足せばジャケットの一着でも作れたのですが、どちらが賢いお金の使い方だったのかはもう少し見極めが必要かもしれません。

下の続きの記事にて、EDIDのカスタマイズを通じたリフレッシュレートの高速化や、一部の機能に関する所感を紹介しています。

また、当サイトのメイントピックではありませんが、気まぐれに各種ガジェット類に関するレビュー記事を公開しています。ご関心があれば、こちらも併せてご覧いただけると嬉しいです。

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