ヴィッセル神戸 J1リーグ優勝に寄せて

2023年11月25日の明治安田生命J1リーグ、ヴィッセル神戸対名古屋グランパス戦。ヴィッセル神戸が名古屋グランパスを2対1で下し、念願のJ1リーグ初戴冠を遂げました。クラブ関係者の皆さま、およびサポーターの皆さま、初のビッグタイトル獲得おめでとうございます。

私は至ってニワカですが、ヴィッセル神戸とは別の関西のJリーグクラブをゆる〜く追いかけています。アクセス抜群な国立競技場で開催される試合を観戦したり、たまに埼スタのアウェーマッチまで足を伸ばしたりする程度ですが。

埼玉スタジアム2〇〇2 ボックス席より浦和レッズとの試合を観戦

一方で、私は兵庫県に深いゆかりがあり、特に同チームが首位を奔走していた今シーズンはその動向に注目していました。先日10月21日には、「国立、神戸の魅力発信マッチ」と銘打った国立競技場でのホームゲームが開催されており、私も現地で試合を観戦しました。5万人以上が詰めかけたこの試合。ヴィッセル神戸の前線4枚による機動的なプレッシングは、現地観戦の価値を存分に感じさせるものでした。

2023年10月21日 J1リーグ第30節 ヴィッセル神戸 対 鹿島アントラーズ (於 国立競技場) にて
2023年10月21日 J1リーグ第30節 ヴィッセル神戸 対 鹿島アントラーズ (於 国立競技場) にて

そうしたこともあり、昨日は本命チームの試合ではなくヴィッセル神戸の試合の中継を見ており、初優勝に酔いしれていたという次第です。

元々は、今回は先週の続編としてMoorerのコート「Harris」のディテール紹介をしようかと考えていたのですが、急遽趣向を変えてヴィッセル神戸の優勝について思うところを書いてみることにしました。

とはいうものの、ひととおり思うところを書き連ねたうえで読み返してみたのですが、こんなに中身のない記事を世に出してよいものか…… と至極悩みました。しかし、優勝にほんの少しばかりの花を添えるということで、恥を忍んで後悔してみることにしました。旬の話題に便乗したアクセス数狙いなど、下心は一切ありません (現状、当サイトは収益目当ての広告の類いは設置しておりませんし、ECサイトのアフィリエイトもほぼ手付かず状態なので……)。

ヴィッセル神戸との馴れ初め

ヴィッセル神戸は、旧川崎製鉄水島製鉄所を拠点とする企業サッカークラブが、神戸市に移転してフランチャイズを築いたプロサッカークラブ。神戸市を含む阪神・淡路圏が震災に見舞われた1995年にヴィッセル神戸としての活動を発足し、1997年にJリーグへの参入を果たしています。

あまり存在を意識することのなかったヴィッセル神戸

前述のとおり、私は兵庫県にルーツの一端を辿ることができ、この当時兵庫県で幼少期を過ごしていました。しかしながら、それは神戸市からはほど離れた地域。今でこそ状況は異なるのかもしれませんが、当地ではヴィッセル神戸が話題に上ることは皆無に近く、存在を感じることは皆無に近い状況でした。加えて、1993年のJリーグ開幕時の熱狂の余波もあり、Jリーグといえば真っ先に思い浮かんだのはヴェルディ川崎や鹿島アントラーズ。Jリーグチップスを買ってもらったり、鹿島アントラーズのマスコット「しかお」のキーホルダーを持っていたな…… といったことが回想されます。

1度だけ、当時ヴィッセル神戸が本拠地としていたユニバー記念競技場に、同チームのホームゲームを観戦しに行った記憶があります。Jリーグ昇格後、かつ2002年の日韓ワールドカップよりも前であったことは確かですが、具体的にどのシーズンだったのか、ビジターチームがどこだったのか、勝敗はどのように決したのかなど、残念ながら何も覚えておりません……。

ちょっと冴えないイメージ……

2000年代中盤頃までのヴィッセル神戸といえば、どことなく冴えないイメージが先行していました。
地元紙で経営の行き詰まりが報じられたこともしばしば。震災の余波もあり、当初は非常に厳しい経営環境に置かれていたようです。また、そもそも上位争いに食い込むこともないどころか、J1残留の厳しい争いを続けていたチームでもあります。さらに、日韓ワールドカップの決勝トーナメントで日本に土を付けたトルコのイルハン選手が、加入後早々に帰国して戻ってこなくなった、といった事件もありました。

イルハン・マンスズ - Wikipedia

挙げ句の果てには、ユニフォームが旧来の白黒の縦縞から、珍妙なえんじ色に変わったのも奇怪に感じていました。しかし、これが昨日の優勝の序章となっていたわけです。このえんじ色は、経営破綻に陥ったヴィッセル神戸に救いの手を差し伸べた、楽天グループ創業者の三木谷氏のパーソナルカラーであり、氏が通われたハーバード大学のスクールカラーであるクリムゾンレッド。ユニフォームの色が変わった当時はパッとしねぇなぁ、なんて思ったものですが、いざリーグ優勝を果たした今ではカッコよく見えるものです。

三木谷会長、おめでとうございます

ヴィッセル神戸のサポーターではないものの、兵庫県にゆかりを持つ一人として感じたのは、三木谷会長ありがとう・おめでとうという思い。現在こそ楽天グループがヴィッセル神戸の親会社となっていますが、当初は三木谷氏個人がクラブを支える体制となっていました。もし、ヴィッセル神戸が経営破綻に陥った際に氏の救済がなかったとすれば、兵庫県はプロサッカーの空白地帯になっていた可能性も否定はできません。

加えて、イニエスタ選手・ビジャ選手をはじめ、海外のビッグタレント獲得を率先されたのもエポックメイキングな取組みでした。Jリーグのいちニワカファンとして、三木谷会長に祝福と謝意を発信したいな、と感じたのが、急遽こんな物書きをしようと思った大きなきっかけのひとつとなっています。

ところで、昨日は試合の中継の後、ヴィッセル神戸のYouTubeチャンネルによるライブ配信を見ていました。優勝記者会見で三木谷氏に投じられた「これまで志向してきたバルサスタイルから堅守速攻への転換はどう見ていたのか?」という質問に対する氏の回答シーン (そして横に座る吉田孝行監督の反応) が印象的です。

終わりにかえて

来シーズンはアジアチャンピオンズリーグ (ACL) 優勝を目標に掲げるとされる (武藤選手談) ヴィッセル神戸。本命クラブと並行で、来シーズンもウォッチしていきたいなと思います。

ところで、ヴィッセル神戸の応援のために今できることは何でしょうか?

スクリーンショット出典: https://network.mobile.rakuten.co.jp/fee/saikyo-plan/ (2023年11月取得)

念のため断っておきますと、私は楽天グループとは何の利害関係もございません。楽天グループにとって、今が楽天モバイルのユーザー獲得における正念場であるようなので、ヴィッセル神戸を支えるならば楽天モバイルの回線契約が最善なのかな、なんて考えた次第です。
(私も、ヴィッセル神戸のために本気でMNPしようかと思案しています。優勝キャンペーンが始まらないかを注視しつつ……)
保険なら明治安田生命、化粧品ならノエビア、トラクターならヤンマー。いち消費者として、リーグ運営やクラブチームを支えてくれているスポンサー企業にしっかりと還元したいですね。

最後に余談ですが、私は学生時代に通信工学を専攻していました。当時黎明期にあったSoftware-Defined Network (SDN) というアーキテクチャを土台としたサービス展開を掲げる楽天モバイルには、非常に注目していました。結局、学位取得後は通信関連業界から離れ、技術動向にも疎くなってしまったので、果たして現在それが果たされているのか把握できていません。とはいうものの、テクノロジーでエクセレンス (競争優位) を築くというビジネス信念は、個人的にも強く共感するところです。今後の発展を願ってやみません。

コメント 本記事の内容について、ぜひ忌憚なきご意見をお寄せください。