私の愛用品 (4) Jacques Marie MageのSheridan

今回は、私が2016年以来愛用しているメガネを紹介したいと思います。
アメリカ発のアイウェアブランド「Jacques Marie Mage (ジャックマリーマージュ」の「Sheridan (シェリダン)」というモデルのメガネです。

Jacques Marie Mage — Limited Edition Eyewear | Handcrafted in Japan
Luxury Eyeglasses and Luxury Sunglasses handmade in Japan are created from influences in cinema, art, heritage, and cultures around the globe.

私は10代の頃からメガネを集めるのが好きで、一時はコレクションが20本以上に肥大化してしまったこともありました。
ただ、現在は整理が進み、サングラスを含めて7-8本程度に落ち着きつつあります。
その中でも、もっとも活用の頻度が高いのがJacques Marie MageのSheridanです。

"Sheridan" by Jacques Marie Mage
“Sheridan” by Jacques Marie Mage

Jacques Marie Mageのブランド紹介は他に譲るとして、ここからは私が愛用するSheridanというモデルを掘り下げていこうと思います。

「Sheridan」というメガネ

私がSheridanと出会ったのは、2016年の暮れ、東京・銀座のメガネ店「obj east」でのことでした。

OBJ east 銀座
OBJ east 銀座
アイウェア オブジェ - OBJ

当時はJacques Marie Mageも発足間も無く (ブランド立ち上げは2015年とのこと)、東京でもあまり見かけることはありませんでした。
翻って2023年現在、Jacques Marie Mageは非常に多くのメガネ屋で取り扱われるようになっています。
これは、ここ数年の間に日本で総代理店が発足し、プロモーションが加速していることが要因のように思えます。

当時、Jacques Marie Mageというブランドを知る由もない私でしたが、obj eastでSheridanを一目見た後、決して安くはないフレームではあったものの、思わず即決でお持ち帰りしてしまいました。
また、アセテートフレームなので近くない将来寿命で割れてしまうかも… という懸念から、2022年には古いものが壊れたときのためのストック用の1本を迎え入れております。
私がここまでSheridanを愛用するに至った理由を、下で何点か紹介したいと思います。

以下、写真は2016年購入のもの・2022年購入のものが混在しています。
区別できるよう、それぞれキャプションに「Sheridan (2016)」「Sheridan (2022)」と明記しています。
なお、2016年購入のもののフレームカラーは「Havana」で、2022年購入のものは「Argyle」です。
どちらもデミブラウンですが、Argyleの方がやや明るい色味です。
また、Argyleはテンプルの内側がクリアになっています。

Jacques Marie MageのSheridan。上がHavana、下がArgyle
下がSheridan (2016)、上がSheridan (2022)。上の方が小さく見えるのは写真の撮り方が雑でパースが効いてしまっているためで、フレームサイズはほぼ同一

直線と曲線が綺麗に融合したクラウンパント

Sheridanのフレーム形状は、フレームのブロウ (リムの上部。眉にかかる部分) が直線的な「クラウンパント」に分類されるかと思われます。
単にブロウが直線的なだけではなく、リムの外側の智の下の部分や鼻当て付近も直線基調になっており、かつ若干のボリュームが持たされています。
直線と曲線の調和が高度に昇華されているとともに、次に挙げる側面のボリュームも相まって「塊」感が感じられます。

Sheridan (2016) をフロントから
Sheridan (2016) をフロントから

厚手の生地を使った、抑揚のあるリム

下の写真は、Sheridanを側面から見たものです。
一般的なアセテートのメガネと比べ、フロントのパーツが厚めなことにお気づきいただけますか?

Sheridan (2016) を横から
Sheridan (2016) を横から

一方、上から見ると、両側面 (智側) から中央 (テンプル側) にかけて、厚みがダイナミックに変わっていることがわかります。

Sheridanを上から。左がSheridan (2016)、右がSheridan (2022)
Sheridanを上から。左がSheridan (2016)、右がSheridan (2022)

Sheridanに限らず、Jacques Marie Mageのメガネは総じて厚手のアセテート生地を切削して作ることで、厚み方向のボリューム感や抑揚をデザインに取り込んでいるようです。
フレームの製造工程を考慮すると、大変贅沢な仕様だと感じます。

ところで、Jacques Marie Mageのメガネ (サングラスは除く?) は、福井・鯖江での製造が謳われています。
福井県眼鏡製造協会が公開するメガネ製造の様子を映した下のYouTube動画には、アセテートフレームの製造工程も紹介されています。
切削は一部自動化されているとはいえ、仕上げは手作業で行われているものも多いようです。

特に、Jacques Marie Mageのメガネのように厚みに抑揚をつけるような切削をどの程度自動化できているのだろうか… と想像すると、非常に手の込んだアイウェアであることを感じずにはいられません。

ゴールドプレートのメタルパーツ

Jacques Marie Mageのアイウェアに施された、独特のメタルパーツ。
私が使用するモデルは、スターリングシルバーに18Kゴールドでメッキしたものとなっています。
単にゴールド色だというだけでなく、わざわざ銀を金メッキしたメタルウェアを使用しているという点で、他にはない贅沢さを感じます。

なお、フレームの色によって、金メッキがされたもの・されていないものがあるようです。
私が所有するHavana・Argyleはどちらも金メッキがなされています。

下の写真は2022年購入のものを掲載していますが、2016年購入のものも現状メッキが剥がれたりはしていません。

Sheridan (2022) の智の周辺。存在感のある鋲や蝶番のメタルパーツ
Sheridan (2022) の智の周辺。存在感のある鋲や蝶番のメタルパーツ

ヒンジを曲げると、ブランドロゴが優雅に登場します。

Sheridan (2022) の蝶番の金具にあしらわれたブランドロゴ
Sheridan (2022) の蝶番の金具にあしらわれたブランドロゴ

テンプルの芯も、細かい模様が施されています。

Sheridan (2022) のテンプルの芯
Sheridan (2022) のテンプルの芯

テンプルの先端にも、ブランドロゴを形取ったパーツが埋め込まれています。

Sheridan (2022) のテンプルの先端にあるオーナメント
Sheridan (2022) のテンプルの先端にあるオーナメント

純正のクリップオンシェード

Sheridanには、純正の専用クリップオンシェードがあるのも嬉しいポイントです。
Jacques Marie Mageの全てのメガネに対してクリップオンシェードがあるわけではなく、Sheridanを含むいくつかのモデルにのみ設定があるようです。

Sheridan専用のクリップオンシェード

シェードをつけると、こんな感じです。

Sheridan (2016) にクリップオンシェードをつけた様子

嬉しいポイントとはいうものの、私はクリップオンシェードはそれほど頻繁には使いません。
多くの場合、サングラス (度入り) も別で持参するか、サングラスだけで出かけることが多いためです。
ただ、1日の行動パターンによっては、クリップオンシェードがあると便利です。

Sheridanのフレーム本体も決して安くはありませんでしたが、クリップオンシェードも価格が2万5千円程度と比較的高額でした。
私は、Sheridan以外のいくつかのメガネに合ったクリップオンシェードを持っているのですが、純正品であれば1万円前後で購入できたことが大半でした。
また、東京のメガネ店「Kamuro」にて、手持ちのメガネ用にクリップオンシェードのカスタム製作を依頼したこともあります。この時は1万5千円程度で対応いただけました。

Kamuro|クリップオンサングラスのオーダーメイド
クリップオンサングラスのオーダーメイド

カスタムメイドでも1万5千円で入手できるオプションがある一方、大変高価なJacques Marie Mageのクリップオンシェード。
値段なりの価値があるかは難しいところですが、選択肢があることが重要なのかもしれません。

私の所有する2つのSheridanの違い

前述のとおり、私は2016年に1本目のSheridanを購入した後、2022年に2本目を購入しました。
この6年の間に、いろいろ変わったポイントがあります。
今更誰の役に立つのかなんともいえませんが、参考までに紹介したいと思います。

値段

2016年の購入時、価格は度入りレンズの製作・装着を含めて7万円台前半 (税込) でした。
一方、2022年の購入時は、フレーム単体で7万円台中盤 (同) となりました。
2016年のレンズがいくらくらいのものか記憶が定かでないのですが、どれだけ安くとも1万円は掛かったのではないかと思います。
なお、購入場所はいずれもobj eastです。

価格の変化は物価の上昇だけでなく、日本の総代理店が介在するようになったことも一因ではないかと予想します。

アジアンフィットの設定

2016年と2022年とで、入手できたメガネの仕様も大きく変わりました。

下の写真は、2016年に入手したものです。

そして、下が2022年に入手したものです。
鼻当てがクリングスを使ったものに変わっていることがわかります。

2022年に入手したものは、どうやらアジアンフィットモデルのようです。
総代理店の意向もあってか、日本で流通するものは全てアジアンフィットになっているようです。

アクセサリ

収納ケースも変わりました。
2016年購入のものに付属したのは、下のようなヌメ革「風」のケースです。

下の写真のようにメガネを入れて使うものです。

雰囲気はいいのですが、ケース自体に強度がなく、メガネをケース外からの衝撃から守れるようなものではありません。

一方、2022年のものには、もう少し一般的なものに近いケースが付属します。

なお、2016年のもの・2022年のもののいずれも、素材は本革ではなく「ヴィーガンレザー」とのこと。
Jacques Marie Mageのブランドナラティブの中には、国立公園の自然や野生動物の保護といったストーリーがあります。かなり高価格帯のメガネなのにケースに本革を使用しないのには、こうした背景があるのかもしれません。
私はこの手の素材は好きではないので、どちらのケースも使わず箱に仕舞っています。

なお、Sheridanは畳んだ状態でテンプルが幅方向に張り出しており、付属品以外のケースだと小さくて収まらないものが多いです。
私も色々なケースを試しましたが、最終的に「10eyevan」のケースに落ち着きました。
素材に赤銅を選んだケースで、非常に美しくエイジングしてくれそうな雰囲気を持っています。
Sheridan同様、10 eyevanのケースも将来の廃盤リスクを見越してストック買いしております。心から気に入ったものはストックしておかないと…

10 eyevanのケースの魅力について、思うところを下の記事で紹介しています。

最後に

Jacques Marie Mageの注目度が大きく高まっている2023年現在、今更取り上げるべきか悩みましたが、愛用品という体で紹介させていただきました。
Sheridanを購入した後も5本ほどアイウェアを購入しましたが、依然Sheridanがローテーションの中心となっています。
ストックも1本確保したところで、今後もできるだけ長く愛用していきたいと思います。

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