私の愛用品 (2) Jutta Neumannのレザーサンダル

今回は、私が過去数年履き込んできたレザーサンダルを紹介したいと思います。

アメリカ・ニューヨークのアトリエ「Jutta Neumann (ユッタニューマン)」の「Alice (アリス)」です。レザーサンダルのド定番なので何を今更、といった感もありますが、2016年に購入して早7シーズン目を終えたところで、記録を残してみようかと思います。

"Alice" leather sandal by Jutta Neumann
“Alice” leather sandal by Jutta Neumann

お迎えのきっかけ

このサンダルは、旅行でニューヨークを訪れた際にイーストヴィレッジにあるJutta Neumannさんのアトリエを訪問して購入した物です。なんとなく新しいレザーサンダルが欲しいと思っていた手前、旅行先にアトリエがあるのならそこに立ち寄って買っていくか、といった程度の軽い動機でした。アトリエの写真など残っていればよかったのですが… 残念ながら何も残っていませんでした。イーストヴィレッジは、少なくとも2016年当時は少し治安に心配を覚えるエリアだったので、地下鉄を降りたら脇目も振らず店に向かった記憶があります。

アトリエを訪問して印象的だったのは、Jutta Neumannさんがそんなに愛想のいいタイプではなかったことと、癖づけされたフットベッドが並んでいる風景でした。Jutta Neumannのサンダルの特徴ともいえるアーチを形成するために、アーチの形に沿って曲げられた木の板にフットベッドが釘打ちで癖づけされていました。ドレスシューズの中底の形成と同じ要領です。大変拙い絵ですが、下のようなイメージでしょうか。

フットベッドのアーチ形成の様子 (イメージ図) Arch construction for leather foot beds
フットベッドのアーチ形成の様子 (イメージ図) | Arch construction for leather foot beds
後方から。アーチの盛り上がりが見える From the heel. You can find elevated arch support
後方から。アーチの盛り上がりが見える | From the heel. You can find elevated arch support

選んだモデルとソールのカスタマイズ

在庫商品を試着させていただき、サイズとモデルを選びました。その結果、おそらく最もオーソドックスな構成であろう、ラティーゴレザーを使用したAliceを選びました。ラティーゴレザーは北米で古くから製造されているコンビ鞣しのカウハイドで、米国の有名なタンナリーである「Horween (ホーウィン)」でも製造されているようです。

爪先から | From the toe
爪先から | From the toe

なお、日本で見かけるJutta Neumannのサンダルは、多くのものに「Birkenstock (ビルケンシュトック)」のラバーソール (Birkソール) が取り付けられています。一方で、アトリエの在庫にはいずれもBirkソールは取り付けられていませんでした。「このまま (アウトソールがレザーのまま) でも履けるけど、Birkソールが必要なら付けてあげる。どうする?」といった感じでしたが、革のアウトソールのレザーサンダルは使い勝手が悪そうに感じたのでBirkソールを取り付けていただくことにしました。取り付けは私の当時のニューヨーク滞在中に取り付けが完了しないとのことで、取り付け次第日本に郵送いただくことにしました。

Birkソールを貼り付けたアウトソール Outsoles with Birk soles applied
Birkソールを貼り付けたアウトソール | Outsoles with Birk soles applied

サンダル本体 (Birkソール含まず) は、当時の価格で310米ドルでした。本体は安いですが、ビルケンソールと日本への送料を加えると、現地で買っても価格は日本とそんなに変わらないな、という印象でした。

伝票 Order confirmation slip
伝票 | Order confirmation slip

履き心地

Jutta Neumannは「レザーサンダル界のロールスロイス」などと称されることがあるようですが、私はそこまでべらぼうに履き心地がいいわけでもないように感じます。実際のところ、毎シーズン最初の着用の際に必ず両足の親指付け根に血が滲みます。決して歓迎しない毎年の夏の通過儀礼となってしまっています。そうしたことから、もしこれから新規にレザーサンダルを選ぶなら、下の「Gloucester Road Shoes Shop」の「ビーサン」(ビスポークサンダルのことらしい) を選ぶかなぁ、という気がします。

Bespoke Sandals
Bespoke Sandals - ビスポークサンダル 略して「ビーサン」靴職人の千葉知恵美氏と2018年にスタート足の採寸を行い、仮靴を作成仮靴でフィッティングチェックを行いハンドメイドで作り上げる

もちろん、Aliceサンダルはこれまで長く履き込んできたことで愛着も湧いており、浮気はしないでおこうと思います。レザーサンダルは1足あれば十分ですので。

使用シーン

夏場に近所に出かけるときは、大体コレです。突っ掛けのように使っています。履き心地はそこまで… とはいうものの、5 km程度なら連続で歩けます。

1ストラップサンダルだと少し寒々しい季節に差し掛かると、近所への突っ掛けの役目はBirkenstockの「Boston (ボストン)」が担うことになります。

経年変化の様子

そんなこんなで数年履き込んできたことで、うっすら経年変化の様子が垣間見えつつあります。例えば、指先の部分にはわずかに足の形の跡が見えます。触ると少し窪んでいます。

爪先に近づいたところ。指の跡がうっすら見える A closer look at the toe, with a slight footprint
爪先に近づいたところ。指の跡がうっすら見える | A closer look at the toe, with a slight footprint

また、踵がかなり削れてしまっています。
補色はせず、風合いとして楽しむことにしました。

踵付近 Heels
踵付近 | Heels

メンテナンスというほどのメンテナンスは特にしていません。シーズンオフに収納する前に、「Collonil (コロニル)」の無色の「シュプリームクリーム」を全体に塗るくらいでしょうか。シーズン中は特に何もしません。

Birkソールの踵リペア

6シーズン目あたりで踵のBirkソールが擦り切れてしまったので、靴修理ショップ「Rifale (リファーレ)」に持ち込んで部分的にBirkソールを貼り直してもらいました。擦り切れた踵周辺だけを切り出して剥がし、新しいソールが貼られています。ソールに不連続な切れ目があるのがおわかりでしょうか?3,000円程度の安価な修理で直していただけました。

Birkソールを補修した跡 A repaired Birk sole
Birkソールを補修した跡 | A repaired Birk sole

これからも、修理しながら長く履き続けていきたいと思います。ボールジョイントの下あたり (ドレスシューズのレザーソールに穴が開くところですね) もだいぶソールが減ってきました。ココの修理もどのように実施いただけるのか少し気になるところです。

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